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鹿児島大学薩長同盟プロジェクト 対談
対談風景鹿児島大学農学部農業生産科学科3年
梶山 萌(かじやま もえ)さん
佐々木 香菜子(ささき かなこ)さん
鹿児島大学農学部 農業生産科学科 作物生産学
准教授 下田代 智英 先生

−プロジェクトの思い出について−

2018年12月11日 鹿児島大学にて

下田代先生:山田錦は鹿児島市喜入の田んぼ、サツマイモは指宿市池田の畑で作りました。池田は夜が涼しくて良い芋ができる場所です。いずれもJAいぶすきさんのご協力があってお借りすることができました。学内で作業要員を集めるところから彼女たちがやってくれて、休みのたびに学生たちと通いました。

梶山さん:秋の収穫の時は、作業を手伝ってくれる学生を募るため、私たちがポスターを作ったり、学内や学食に掲示したりしました。ネーミングについてもポスターを作って学内で募集したり、大学の広報センターのご協力をもらってホームページに掲載していただいたりしました。ネーミング、デザインの審査に関わったことも初めての経験で、本当に幅広い勉強になりました。

下田代先生:畑や田んぼでの農作業には、自分たちの研究室以外からもいろんな人のお手伝いをもらいました。焼酎学研究室の学生や留学生など、多い時は20人くらいが手伝いに来てくれて。マイクロバスを借りて指宿や喜入に通いました。田植えや稲刈りには、地元の人や喜入小学校の子どもたちも来てくれて、賑やかでした。

梶山:収穫の時、ちょうど台風の後で田んぼがぬかるんでいたので、長靴がはまってしまって尻もちをついたりして。子どもたちと笑いあったりして、とっても楽しかったです。

佐々木:がっつり農作業をする体験はこのプロジェクトが初めてで、新鮮でした。農業ってこんな感じなのかと。

下田代先生:農家の人が芋の苗を手植えするのがむちゃくちゃ速かったよね。あれ見た瞬間、機械は売れへんなと(笑)。来年は、動画をアップしたいくらい。プロの農家の人たちと知り合えて、一緒に仕事できたのは僕にとっても勉強になりました。今後の研究活動にとっても大きな収穫がありました。

梶山:本当に、滅多にできない体験でしたね。

下田代先生:「薩摩熱人」のネーミングやラベルデザインも、僕ら教職員と学生が一緒に携わって審査員を務めたりね。世代間のギャップにお互い愕然としながらも(笑)、意見のすり合わせをして、多数決ではない決め方をしていったのも面白かった。学生諸君も、僕ら世代の言い分も聞いてくれ、「大人の対応」をしてくれたのには感心しました。結果的には山口の「長州学舎」と並んだ時の文字のバランスも良くて、ベストの選択だったと思います。

佐々木:学生が推すのと、先生方が推すのは全く違っていて、興味深いものがありました。その他にも、良いと感じた名前でもすでに商標登録されているものがあったり、調べてみるとあまり縁起のよくない言葉だったり。商品の名前ひとつ決めるのも難しいことを実感しました。

梶山:プロジェクトを通じて、商品開発、企画の楽しさ、難しさなど幅広い学びがありました。今回の経験がきっかけになって、卒業後の進路として山口県のお菓子屋さんへの就職を考えているんです。

−山口大生との交流も収穫の一つ?

下田代先生:山口大学の荒木先生は酒米の研究者で、僕は稲の高温登熟が専門。以前から面識があったこともプロジェクトの立ち上げがスムーズに進んだ一つだと思います。山口大学の学生たちは、新幹線で来たこともあるけど、だいたいレンタカーに乗り合わせてやって来てくれました。先生も学生も元気があって面白かったですね。

佐々木:活発な学生が多くて。交流、楽しかったですね。

下田代先生:先日、サツマイモの収穫の後、少人数ですが合同セミナーを開くこともできましたし。今後も両大のつながりを継続、発展させたいなと思っています。

−製品が出来上がった時はどんな思い?

佐々木:自分たちで米や芋を作っている時は、焼酎になることはあまり実感できていませんでした。出来上がった商品を見て、記者発表した時、ようやく達成感が出てきた感じです。

梶山:去年の夏、大阪に住む従兄弟が結婚したので、さつま揚げと一緒に送ったところ、とても相性が良くて美味しかったと喜んでくれました。

佐々木:ふだんはあまり焼酎は飲まなくて、カクテルや果実酒しか飲まないのですが、薩摩熱人はフルーティーで濃い味わいがあると感じました。

梶山:先日、東京ビッグサイトで開かれた「アグリビジネス創造フェス」に鹿大がブースを出したので私たちも参加して「薩摩熱人」のPRをしました。来場された方200人くらいに試飲していただきアンケートをとりました。「飲みやすい」という声もあれば、その逆もあったりして、人の好みはそれぞれなんだなと思いました。

下田代先生:こうやって振り返って見ると、今回のプロジェクトメンバーは、鹿児島大学も、山口大学も、とくに女子学生は個性的でアクティビティの高いメンバーに恵まれていました。明治維新150年にふさわしい優秀な学年だったんだね!(笑)。この学生たちがいたからこの焼酎が生まれたんだな、って今振り返ってみると。いろんな「ご縁」があって世に出た焼酎です。